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主な治療対象疾患|腎腫瘍 (腎細胞がん)

はじめに

腎臓に発生する腫瘍の多くは悪性腫瘍(腎細胞癌)です。良性腫瘍としては血管筋脂肪腫の頻度が高く、腎細胞癌との鑑別が必要となります。また腎臓で作られた尿が集まる腎盂には膀胱癌や尿管癌と性質の似た癌(腎盂癌)ができます。

腎細胞癌は、腎尿細管から発生する腺癌であり、発生頻度は、人口10万人あたり2.5人程度で、男女比は2~3:1で男性に多い傾向があります。腎癌の発症の危険性を増加させる要因は 喫煙や脂肪分の多い食事の摂取がではないかと指摘されています。 遺伝性の腎癌についてはVHL遺伝子に異常があることがわかり、その遺伝子異常がある家系では将来、腎癌にかかる可能性が予測できます。また、慢性腎不全で維持透析療法を受けている患者にも後天性嚢胞性腎疾患に腎癌が発生する頻度が高いです。

症状と徴候

発見の契機は多くは無症状なので、検診や別の腹部の症状で施行された腹部超音波検査で偶然見つかることが多いです。また顕微鏡で確認できる程度の血尿があり、画像診断により発見されることもあります。古典的な徴候は、側腹部に触れる腫瘤、肉眼的血尿、側腹部の疼痛ですがいずれの症状も腫瘍が大きくなった場合にあらわれます。また発熱や貧血、体重減少など体力の衰えを感じるような兆候がある場合は腫瘍の進行する勢いが強いタイプの癌と考えられています。

診断

血液検査では、腎臓癌であるかどうかを特定できません。進行癌では貧血や血沈・CRPなど炎症反応の上昇を見ることがあります。また、多血症、高カルシウム血症、肝機能異常などを契機に発見されることもあります。

超音波検査では、内部エコーで不均一な腫瘤像が見つかることが多くあります。 CTスキャンによる診断が効果的で、単純撮影、造影剤を注射して行う造影検査を行います。腫瘍の質を見極める診断には急速に造影剤を注射するダイナミック撮影が有効です。悪性腫瘍では腫瘍内の血管分布が多いため、造影効果が高まります。腫瘍が腎静脈から大静脈まで進展することがまれにあり、MRI検査により大血管への進展を調べることができます。

進達度

腫瘍径が7cm以下で、腎周囲脂肪や腎盂への拡がりがない場合は予後は比較的安定しています。遠隔転移は血液の流れに乗り起こることが多く、肺、骨、脳、肝臓、膵臓などに主に転移します。

治療

手術療法が唯一の根治療法となります。腫瘍径が5cm以下で腎臓の輪郭から突出しているタイプの腫瘍では部分切除を、それ以外の腫瘍では腎臓をすべて取る腎摘徐術を行います。腎機能が正常であれば、1つの腎臓を摘出しても腎機能は著しくは損なわれません。腎臓は大腸の背中側に埋まっている臓器のため、開放手術では、比較的大きい創(手術のために身体に開ける切り口)でかつ体幹の筋肉を切開する必要があります。手術侵襲を少なくするために腹腔鏡下手術が徐々に普及しており、摘出した腎を体外に取り出す最小限の創で、開放手術と同じ質の手術をすることができる。また腹腔鏡下手術後の回復は開放手術より速やかで、近接の非再発率も変わりません。手術時には転移がなかったものの後に肺や骨などの臓器に転移が生じた場合は、転移巣が単発であれば、できるだけ切除したほうが予後(病気の経過)がよい。複数の転移巣についてはインターフェロン、インターロイキン2による免疫療法または5-FU系の抗がん剤の治療をおこないますが奏効率は約15%と低めです。発見時に転移が見つかっても、腎摘徐を行うほうが、予後がよい結果が得られています。全身状態が不良で手術が難しい場合は、腎動脈の塞栓術も試みられます。原発巣摘除後長期間経って転移が出現する可能性がある(転移出現率1~5年は36%、5~10年は21%、10~15年は33%)ため,長期間の経過観察が必要です。

治療抵抗性の転移癌に対しては、組織適合性(HLA)の適合した兄弟の骨髄幹細胞を移植、定着させることで、移植された骨髄幹細胞が分化した免疫細胞が抗腫瘍効果を発揮することが近年報告され注目されています。

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