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帝京大学医学部附属病院
泌尿器科

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約100分 (76-128)
予約なし患者
(再診)
約90分
(54-134)

主な治療対象疾患|尿路結石症

帝京大学病院泌尿器科の結石治療の特徴
(すばやい診断、いつでも治療、豊富な手術オプション)

1.すばやい診断

初診日にCTやエコー、レントゲン検査による尿路結石の診断、治療方法の決定が可能です。

2.いつでも治療

発熱や痛みの症状が強い場合、尿管カテーテルを使った緊急処置や、緊急入院、手術が随時可能です(フォロー中も24時間、365日、いつでも救急対応が可能です)。

3.豊富な最新手術オプション

体に優しい手術治療として、体外衝撃波手術(ESWL)、最新のYAGレーザーを使った細径軟性尿管鏡による砕石(f-TUL)を行なっています。大きい結石に対しては経皮的腎砕石術(PNL)も行います。

珊瑚状結石

当院の尿路結石に対する考え方
(結石外来責任医師:磯谷周治

尿路結石は、最近増加する傾向にあります。ひと昔前は20-40歳代の男性に多くみられましたが、最近では若い女性にも増えています。
一般に尿路結石といっても、場所や大きさによって対応方法が違います。腎結石では痛みなどの症状をしめすことは少ないのです。いちど腎臓の結石が尿管に移動すると(私たち泌尿器科医は石が落ちてきた、ということが多いです)、とても激しい背中や脇腹の痛みがでてきます。このように、尿管結石の症状は、通常激しい背部痛、側腹部痛とされます。この痛みの強さは、「焼け火ばしでさされた様な痛み」と表現されるぐらい激しいものです。
この痛みの起こるメカニズムは、尿管が結石でつまることによって尿管結石より上の尿路である腎盂や尿管がたまった尿の水圧で広げられることが原因です。あまりに強い痛みのため、冷汗や悪心•嘔吐などの腹部症状を生じる事もあります。また頻尿・残尿感などの膀胱炎様症状を訴えることもあり、疼痛コントロールに苦慮することも多くみられます。生命に危険が及ぶ事は少ないのですが、発熱を伴う場合には、重篤な感染症を引き起こす事があり、早急な対応が必要です。

1.すばやい診断

初診日にCTやエコー、レントゲン検査による尿路結石の診断、治療方法の決定が可能です。強い腰の痛みなどで受診された患者様に対して、当院では初診日のうちにCTやエコー、レントゲン検査による尿路結石の診断、方針の決定を行なっています。診断はその日につくため、迅速な鎮痛や治療にうつることが可能です。検査予約の為に何週間も待つ必要がありません。

CT

2.いつでも治療

発熱や痛みの症状が強い場合、尿管カテーテルを使った緊急処置や、緊急入院、手術が随時可能です。診断がつけば、治療に移ります。通常の場合は痛みを止めることを中心とした治療となります。まれに尿路感染を起こすと、ショック状態になって生命に危険がおよぶこともあります。そのように細菌感染をおこして発熱がある場合や、強い痛みが続いて鎮痛剤の効果がない場合は、いつでも緊急入院が可能です。また状態に応じて、緊急処置としての尿管カテーテルを使った処置や腎瘻造設といった処置も随時可能です。こういった処置がうまくいくと、痛みや感染症を一時的に回避することができます。


珊瑚状結石.水腎症の3D−CT

3.豊富な最新手術オプション

3割程度の人に手術療法が必要となります。当院では、体に優しい低侵襲な手術として、衝撃波エネルギーを体内の結石に照射し結石を砕石する体外衝撃波手術(ESWL)、と最新のYAGレーザーと細径軟性尿管鏡を組み合わせた結石の砕石(f-TUL)が行っています(手術については別項目で詳細に解説しています)。昔行われていたような、メスでおなかを切って石を取り出してくる、開放手術は第1選択としていません。珊瑚状結石という非常に大きい結石に対してはPNLという手術方法も行っており、良好な治療成績を認めています。


TUL(腎結石)

尿路結石を詳しく解説すると

尿路結石の原因
(内科の病気で結石ができることがあります)

尿路結石は主に腎臓で尿中のカルシウムや尿酸などの無機質の結晶とたんぱく質などの有機物が固まってできます。尿路結石の原因は尿の流れの停滞や代謝異常症などの内科の病気・薬剤による影響などが考えられますが、はっきり直接的な原因がわからないこともあります。
尿路結石の成分は、カルシウム(蓚酸Ca、リン酸Ca)が約80%で最も多く、次いでリン酸マグネシウムアンモニウム7.4%、尿酸5.2%、シスチン1.0%、その他7.0%となっています。内科疾患では海綿腎、原発性副甲状腺機能亢進症や尿細管性アシドーシスに伴ってみられることが多くあります。また体動制限や長期臥床状態では、尿流停滞や尿路感染を惹起して尿路結石を作りやすくなると言われています。内科の代謝異常として痛風や副甲状腺機能亢進症や、クッシング症候群、骨粗鬆症、膠原病や、サルコイドーシス、腸疾患(クローン病などの炎症性腸疾患、広範囲の小腸切除)などによる高蓚酸尿によっても尿路結石症の発症する危険性が高くなります(表1)。

表1尿路結石の原因
尿流停滞:排尿障害などにより、尿が体内に長期間留まること
尿路感染
長期臥床:姿勢が変わらないので尿流停滞が起こるため
代謝異常 原発性副甲状腺機能亢進症
高カルシウム尿症
高蓚酸尿症
低クエン酸尿症
シスチン尿症
遠位尿細管性アシドーシス
クッシング症候群
薬剤性 アセタゾラマイド
ステロイド
活性型ビタミンD
尿酸排泄促進剤
プロテアーゼ阻害薬

尿路結石の分類(上部尿路結石と下部尿路結石の違い)

尿路結石とひとくくりにしていますが、結石の存在する部位によって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石などに分類することができます。その中でも腎臓と尿管に結石を認める、上部尿路結石が95%と尿路結石症のほとんどを占めます。また腎臓で形成される結石とは別に、排尿障害のため膀胱内に残尿がある場合、膀胱内で結石が作られ、膀胱結石と呼ばれています。また稀にですが尿道内に結石を認めることもあり、尿道結石と言われ、膀胱結石と尿道結石は下部尿路結石に分類されます。このような尿路結石ですが、典型的な症状を示すのは、尿管結石です。腎臓の結石が尿管に移動すると(私たち泌尿器科医は「石が落ちてきた」と表現します)、とても激しい背中や側腹部、下腹部に激烈な痛みに代表される、いわゆる「尿路結石の症状」が出てきます。

尿路結石の疫学(男性に多い疾患ですが、女性も増えています)

尿路結石症の男女比はほぼ5:2で男性に多くみられます。1995年の調査では生涯罹患率は男性9.0%、女性3.8%とされ、男性約11人に1人、女性26人に1人が一生の間にいちどは尿路結石症に罹患することになります。

再発率も高く、腎結石での再発率は5年間で45%、10年間で60%とされています。発症する年齢は全年齢ですが、男性では特に20-60歳代に、女性では閉経後の年代の女性に多くみられます。また近年、若い女性にも増えてきていることが知られており、注意が必要です。

尿路結石の症状

(激しい腰痛が代表です。放置すると腎臓が悪くなったり、細菌感染を起こして菌血症につながったりすることも、、、)

1.典型的な症状(腰痛、血尿、吐き気)

尿路結石の最も大きな症状は背中や側腹部の強い疼痛(とうつう:ズキズキする痛み)です。この痛みは夜中から明け方に多くみられます。他にも頻尿・残尿感などの膀胱炎のような症状、吐き気や嘔吐などもみられます。背中や側腹部の疼痛は尿路が急に閉じたことによって起こる腎盂内の圧力の高まりや尿管壁の過剰な蠕動運動(せんどううんどう:腸などの器官が内容物を流す動き)により生じます。夜間に多くみられるのは、夜間に尿が濃縮されるために、結石周囲の尿管が濃縮された尿によって腫れ閉塞が起こるからではないかと考えられています。頻尿・残尿感などは結石が膀胱と尿管の変わり目まで移動してくるとあらわれる症状です。また、吐き気、嘔吐などは自律神経を介しての腸管の反射性麻痺によるものです。尿に血が混じる、血尿も重要な症状ですが、自覚できるほどの血尿(肉眼的血尿)でないことも多く、診断時に確認できる顕微鏡的血尿の場合が多くあります。ただし尿潜血・血尿が陰性であるときも、必ずしも尿管結石を否定できるわけではありません。

2.尿管結石症を放置すると(水腎症から腎機能低下にいたることも)

閉塞状態が長引くとたまった尿により尿路が広がり水腎症となります。水腎症になると腎機能が低下し、最終的には腎機能が失われますが、疼痛は逆に軽減します。背中や側腹部の激しい痛みが収まったからといって放置すると、結石が排出されず長期に同じ部位に停滞して、尿管粘膜により被覆され、嵌頓結石(かんとんけっせき)と呼ばれる状態になり、自然と治る可能性は非常に少なくなります。尿路結石によって無尿状態になると、結石性の腎不全につながります。

3.感染を起こすと(重症感染症では菌血症を起こしたり、死亡に至る可能性があります)

尿路結石によって起こった水腎症の部分に細菌感染がおこると、結石性の腎盂腎炎を起こします。また、重症化した結石性腎盂腎炎では、菌血症になって生命の予後を左右することもあるため、早急な泌尿器科的手技が必要とされます。

診断(CT検査が役に立ちます)

尿路結石を疑う場合には、よく似た症状のほかの疾患があるため以下の検査を行い、尿路結石の診断します。また同時に、結石の場合には大きさや、結石のある場所、尿路の閉塞状況も診断します。

尿検査:色や量などを調べる一般尿検とともに、結晶や血液中の成分が含まれていないかなど、尿を遠心分離して調べる尿沈渣検査で判断します。
超音波断層法:上部尿路の閉塞による水腎、水尿管の程度を判断するのに重要な検査です。
KUB(Kidney- Ureter-Bladder) :レントゲンで尿路全般が入るように撮影。結石の位置、個数、大きさ、X線透過性などを調べます。
排泄性尿路造影:尿路の形の変化やつまり具合などを診断するのに行う検査。造影剤を静脈注射し腎より尿路と通って流れる様子をレントゲン撮影することで調べます。造影剤を使用するので、腎障害、造影剤アレルギーがある場合はこの検査を行わない場合があります。

X線CT:体の断面(輪切り)を画像化して調べる検査です。一般的なレントゲンと異なり、放射線透過性結石や微小な結石の有無を調べられます。また、腎実質の状態も調べられます。

CT検査

初期治療
(まず痛み止め。必要に応じて処置や手術をおこないます)

1.初期治療の目的

尿路結石の初期治療のポイントは十分量の鎮痛剤・鎮痙剤による疼痛管理と、症例によっては早急な泌尿器科的手技が必要とされるため、保存的治療を行なう症例とそうでない症例を判断することです。

2.痛みの処置(まず痛み止め)

尿路結石と診断される人は背中や側腹部の激しい痛みを訴えて病院を訪れる場合がほとんどです。そのため、痛みを和らげることから治療が始まります。疼痛の対処には下記の方法を行います。非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)坐薬の使用。喘息、高度腎障害、低血圧の方には原則として使用しません。非麻薬性鎮痛薬(ペンタゾシン等)の筋肉注射・静脈注射鎮痙剤(ブスコパン)の筋肉注射・静脈注射、硬膜外麻酔、WJ尿管ステント留置

3.特殊な処置(感染が疑われる場合や、腎機能低下の場合は緊急処置が必要です)

腎臓は2個あるため、ふつうは尿路結石によって極端な腎機能低下を引き起こすことはなく、救急処置を必要とすることは少ないです。しかし腎臓が1つしかないときや、重症の感染症を合併したときなど特殊な病態においては、生命の予後を左右するケースもあります。そのような場合には泌尿器科的処置が必要です。こういった泌尿器科的手技の目的は、感染のコントロールと腎機能の保持であり、尿路ドレナージのためのDJ尿管ステントの留置や経皮的腎瘻造設術(PNS)が行われます。

尿路結石に対する治療療法ESWL、TUL、PNLなどさまざまな治療法があります

痛みの緩和後は、結石を体外に出すための治療に移ります。治療法は部位・サイズにより異なります。3割程度の人は手術療法が必要になると言われています。

1.経過観察(小さい尿路結石は自然と出てくるのを待ちます)

5mm以下の結石は、飲水、運動などの日常生活指導のみで自然排泄を期待できるため、無処置で経過を診ていきます。この際に尿が出やすくする薬剤や、尿管を弛緩させる効果をもつα1ブロッカーを使用して排石を促すこともあります。

2.手術療法(排出されない結石や、必要な場合には手術を行ないます)

繰り返す疼痛に患者さまが困ってしまうとき、尿路感染の合併、尿が腎にたまって機能低下が懸念される場合は積極的に処置や手術も行います。また結石が10mmより大きい場合には、飲み薬による治療では石の治療は不可能なことが多いので、結石を体外に出すため手術療法を行います。結石の部位や大きさをもとに下記にあげる、体外衝撃波砕石術(ESWL)、経尿道的尿管砕石術(f-TUL)、経皮的腎砕石術(PNL)の手術方法から、患者様と主治医が相談しながら、手術の選択をおこないます。

体外衝撃波砕石術(ESWL)

ソナーの原理を利用して、衝撃波エネルギーを結石に照射し、結石を細かく破砕する方法です。ESWLによって破石されて生じた石片は尿とともに体外に排出されます。低侵襲で安全性が高い方法で、高齢者でも比較的簡単に手術を受けていただけます。当院では2000年より尿路結石に対し、第3世代破砕装置(ドルニエ・リソトリプターD)を導入しました。結石の割れやすさは組成、大きさ、硬さ、場所によって異なりますが、小さな石では1-2回の治療で約9割が破砕でき、非常に良好な治療成績を上げています。しかし複数回ESWLを行なっても効果のない結石や、1cm以上の大きな結石、長期間存在することが予想される結石、感染性の結石、などでは、f-TULが推奨されています。これまでの10年の経験では、大きな合併症はなく。現在では4-5症例/月で治療を行っています。基本的に初回治療は入院で行なっています。最初に排石のめどが立つまで治療を行ないます。その後は、外来通院で日帰り治療が可能です。しかし、ESWL を複数回行なっても、結石に変化がない場合は、他の治療方法に切り替える必要があります。というのも、ESWLは安全な治療法ですが、結石は割れたのに破砕片が尿管に詰まったりして、複数回に及ぶと尿管を傷つけたりすることがあります。また、まれに腎臓の周りに出血して痛みと血尿や、貧血が出ることもあり、効果がない場合の複数回のESWLは推奨されていません。治療の費用は入院期間によっても変わりますが、約6−10万円程度です。詳細は外来受付に相談ください。

ESWLの利点

  • 1.お腹を切らない(低侵襲でからだに優しい)。
  • 2.短時間ですむ(約60分程度の治療です)。
  • 3.全身麻酔を使わないですむ(麻酔合併症の心配がなく高齢者でも手術ができる)。
  • 4.短期入院(2~7日)または外来も可能
  • 5.複数回の手術も可能
  • 6.腎・尿管の全ての結石に対して行なうことができる。

ESWLの欠点

  • 1.20mm以上の大きな結石では完全に破砕できない。
  • 2.下腎杯結石、嵌頓結石などでは砕石されても排石されないことがある。
  • 3.治療効果はTULに劣り、複数回の治療が必要になることがある。
  • 4.抗凝固剤使用中、妊娠中、動脈瘤などの患者には施行できない。
  • 5.腎被膜下血腫、皮下血腫、血尿などの合併症が起こることがある。

経尿道的尿管砕石術(f-TUL)

ESWLは結石を砕いて小さくするだけで、結石の排出は行なわないため、石の出てきやすさは、尿管自体の運動や太さなどに依存しています。それに対して、f-TULは、直径約3ミリの細径の内視鏡を尿路内に通して、ホルミウムYAGレーザーで石を砕いて、バスケット鉗子などで石を取り出す(抽石する)方法です。軟性尿管鏡は軟らかく、先端が自由に曲がるため、膀胱から腎臓内まで治療ができます。これまでは、硬性鏡という内視鏡が使用されており、下部の尿管や膀胱や尿道などの下部尿路結石にもちいられることが多かったのですが、デジタル細径尿管鏡やアクセスシースなどの各種デバイスの進歩と共に、上部尿路の治療も積極的に行われる様になってきました。軟性尿管鏡を用いるこの手技はf-TULと呼ばれています。f-TULでは結石を直視下で観察するため、結石を細かくして抽石操作まで行なうため、尿管結石の除去という観点においては、より優れた治療と言えます。比較的大きな結石・感染を伴う結石・尿路狭窄を伴う場合などは、f-TULが推奨されています。

当院では2003年末より砕石効果の高いホルニウムYAGレーザーLUMENIS VersaPulse  Select  80を導入、2005年より細径軟性鏡(腎盂尿管ファイバースコープOLYMPUS URF TYPE P5) 2009年より先端にCCDを装備しNBI観察も可能な、最新の腎盂尿管ビデオスコープ細径軟性鏡(腎盂尿管ファイバースコープOLYMPUS URF TYPE V)を導入してf-TULを行っています。現在まで約100例を超えるf-TULをおこなっており、尿管結石に対して80%をこえる良好な治療成績を認めています。ただし2.0cmを超える腎結石や珊瑚状結石に関しては、TUL単独での治療成績はそれほど良好ではなく、複数回の治療や、他の治療との組み合わせが必要となります。手術合併症には血尿、腰痛などのWJステントに起因するものから、尿路感染症、尿管狭窄などがありますが、その頻度は2−4%程度です。治療の費用は入院期間によっても変わりますが、約10-15万円程度です詳細は外来受付に相談ください。

f-TULの利点

  • 1.硬い結石や、10mm以上の比較的大きな結石でも破砕可能
  • 2.1回の治療で治療完了のことが多い。
  • 3.ESWLでは難しい尿管狭窄などがある場合や嵌頓結石に対してでも、結石を回収できるなど、ESWL困難症例にも使用できる。

f-TULの欠点

  • 1.使用する器具の種類が多く、操作が煩雑で技術的な習熟が難しい
  • 2.全身麻酔が必要
  • 3.尿管に穴があいたり、切れたりする(尿管損傷)可能性がある
  • 4.術後に尿管狭窄を起こすことがある
  • 5.下腎杯の結石では、尿管鏡が届かない場合がある


TUL(腎結石)

経皮的腎砕石術(PNL)

ESWLやTULでの治療が難しい2cm以上の結石、とくに腎にできた珊瑚状結石などに対する治療で用いられる方法です。結石のある側の背中から腎臓の中まで腎瘻という経路を作成し、腎瘻を通して内視鏡を挿入し、内視鏡を経由して挿入した砕石装置で砕石を行って、最後に石を取り除きます。珊瑚状結石はガイドライン上でもPNLによる治療が推奨され、ESWL単独治療は第1選択にはならないことが明記されています。しかしながら、PNLは腎瘻を作製する点で観血的であり、ESWL、TULと比べ侵襲がおおきいことが知られています。出血(輸血が必要となるときもあります)、気胸、水胸、敗血症など重篤な合併症をきたすことがあり、施行に際しては洗練された技術・経験が必要とされます。当院では最新の硬性鏡OES Proパークティニアスネフロスコープと超音波砕石装置によって年間3-5例程度PNLをおこなっており、良好な砕石成績を認めていますが、手術合併症も認めています。治療の費用は入院期間によっても変わりますが、約15-20万円程度です詳細は外来受付に相談ください。

PNLの利点

  • 1.20mm以上の大きな結石や、珊瑚上結石では最も効果的な治療方法である
  • 2.口径のおおきい腎瘻を造設するので抽石が容易
  • 3.ESWLやTULのみでは難しい結石に対する治療として、開腹手術以外の唯一の方法である

PNLの欠点

  • 1.侵襲がおおきく、出血コントロールのために追加処置を必要とすることもある。輸血を必要とすることがある。
  • 2.1度では砕石できず、再手術を行なうことがある。
  • 3.術後に発熱や,血尿などのいわゆる尿路トラブルを起こす可能性が、排石完了するまである。
  • 4.全身麻酔が必要、入院期間、治療期間が長期にわたる。

開放手術(腎盂切石術、尿管切石術、腎摘出術等

ESWLや内視鏡を用いたTUL,PNLで治療できない場合に用いられる方法です。現在ではほとんど行なわれません。当院では非常に特殊な症例に対して、数例の開腹手術と腹腔鏡下手術の経験があります。いずれの場合も無事に結石の治療を終えています。

治療方法についてのお問い合わせ、受診案内
結石治療の担当医の受診をおすすめします。また、メールや電話でのお問い合わせも可能ですので、御気軽にご連絡下さい。

再発予防のための療養指導

尿路結石は再発する頻度が高く、再発を予防するためには療養指導が重要なポイントとなります。

飲水指導

水分を多くとることで尿量を増やし、結石を形成する成分の凝縮・停滞を防ぎます。食事以外に一日2L以上の水分摂取を目安とします。なお、補給源としては、結石形成の促進物質の尿中への排泄を助長する清涼飲料水、コーヒー、紅茶、アルコールなどの過剰摂取は控えるよう指導します。

食事指導

バランスのとれた食生活を指導。一定量のカルシウム(600~800mg/日)やクエン酸の適量摂取、及び穀物摂取を奨励する。逆に蓚酸、砂糖、脂肪の過剰摂取を制限し、動物性蛋白質(1.0g/kg/日、動物蛋白比50%)、塩分(10g/日以下)の過剰摂取も制限します。また、食事により吸収した物質を長時間体内の尿中にとどめないために夕食から就寝までの間隔を4時間程度開けることを目標として指導します。

服薬指導

尿中の成分やphが極端な場合に結石が形成される場合が多いため、薬剤によってそれを制御します。クエン酸製剤は酸性尿の改善を目的とし、アロプリノールは高尿酸血症に伴う高尿酸尿、チオプロニンはシスチン尿症、サイアザイドは高カルシウム尿症に対し用います。マグネシウム製剤は蓚酸カルシウムの発生を予防します。

(参考サイトへのリンク)
若い女性にも増えている尿路結石 (gooヘルスケア)

これまで男性に多い病気として認識されてきた尿路結石が女性、それも若い女性に増えてきました。この現状と尿路結石ができるメカニズム、注意すべき点などが紹介されています。

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