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帝京大学医学部附属病院
泌尿器科

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予約なし患者
(再診)
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(54-134)

専門外来

腎外来

責任医師 山口雷藏
担当医師 堀江重郎斎藤恵介
扱う疾患 腎癌

疫学

中高年の方に多い悪性腫瘍です。血尿やお腹の違和感で見つかることもありますが、症状が出にくく、最近では人間ドックや癌検診などで行われている超音波検査やCT 検査で偶然に発見される患者様が増えてきています。

腎細胞癌は、腎癌のなかで最も発症頻度が高く、国内で約1 万人いらっしゃる腎癌患者様のうち、80 ~ 85%の方が腎細胞癌とされています。国内における腎癌罹患数は年々増加傾向にあります。男性の罹患率は女性の2 倍であり、50 歳以降に高頻度で発症します。また、腎細胞癌は、VHL 遺伝子が欠損している家系で発症しやすいことも知られています。その他に、喫煙や肥満といった生活習慣因子、アスベストやカドミウムなどの環境因子、長期にわたる透析などが危険因子とされています。

2002 年の腎癌発生頻度の全国調査から、我が国におけ る腎癌登録者数は7,405 例と前回調査の6,358 例に比べて増加しています。

人口10 万人あたりの粗罹患率は男性8.2 人、女性3.7人で、 年齢調整罹患率は男性6.7 人、女性2.5 人でした。年齢調整罹患率を世界と比較すると、フランスや米国白人など欧米人より低く、米国・ハワイ在住日系人とほぼ同等で、中国、ジンバブエなどのアジア、アフリカよりも高い傾向にありました。腎細胞癌は、年々増加することが予想されております。一般に男性が女性に比べて約2倍、この病気に罹りやすいとされていますが、今後の20 年間の予測では女性の癌全体で、腎細胞癌が増加率の最も高い癌となることが予測されていることからも、その対策が重要となる尿路性器癌の1つであると考えられています。

例えば、勃起障害や“朝立ち” の消失といった性的症状に 加え、筋力低下、筋肉痛、疲労感、ほてり、発汗、頭痛、めまい、耳鳴りなどです。また精神・心理症状としては、集中力の低下、無気力、抑うつ気分、イライラ感なども当てはまります。日本人の場合は欧米諸国より精神症状が強く、男性更年期外来を訪れる患者様の半数近くはうつ病と診断されています。

腎癌治療戦略

腎癌の治療に対しては、抗がん剤療法や放射線療法の有効性は確立されておらず、現時点では、手術療法が最も有効な手段と考えられています。

尿路結石の生涯罹患率は男性9.0%、女性3.8% といわれています。また再発する率も高く、腎結石の再発率は5年間で45%、10 年間で60% とされています。予防として、クエン酸製剤(ウラリット)などを処方します。また尿路結石と通風、糖尿病には密接な関係があることがわかってきました。メタボリック症候群の精査も合わせて行って、内科に紹介しています。

そのため、当外来では、個々の患者様に対する、手術治療戦略を中心とした治療計画と術後の免疫療法など(インターフェロンα、IL-2)によるアジュバント療法を展開しています。

また、きめ細やかな術後の経過観察により早期に転移病巣を発見し、転移病巣治療のイニシアチブを取っていく事を目的としています。

人体の臓器は、膜と膜が密接に接し層構造を形成しています。当院での手術療法は、その層構造を大切にしたプレーンダイセクションを行っています。これにより、癌をなるべく多く体内から取り除き、かつ他臓器へのダメージを最小限に押さえ、術中の出血をより少なくする手術を提供しています。

また、腹腔鏡による手術も行っており患者様の身体への ダメージの軽減、術後のQOL の改善に大きな役割を果たしています。

下大静脈に腫瘍塞栓を有するような進行した腎癌症例に対しても外科、心臓外科と連合した体外循環下の腫瘍塞栓摘除術やインターフェロンα、IL-2、UFT の3 併用療法や漢方薬、COX‐2 阻害剤などの薬剤による集学的治療により、転移病巣の抑制・治療にも力を注いでいます。

また、腎癌の骨転移の痛みに対して、従来のNSAID s、 麻薬による治療以外にも放射線治療、ゾレドロネートを使用した除痛治療も行っています。

今後の治療展開~腎癌に対する分子標的薬治療~

a. 分子標的治療

近年、画像診断の進歩と予防医学の普及により早期に発見される腎細胞癌(以下腎癌)は増加し、腎癌全体の治療成績は改善しています。しかし、腎癌は抗癌剤・放射線が効きにくく、転移を伴うような進行性の腎癌の治療成績は依然大きな改善は認められていません。現在、日本において最も効果があるとされているサイトカイン療法(インターフェロン・インターロイキンII)で、15 ~ 20%程度の有効率といわれています。このような状況下で、新しい治療として注目を浴びているのが、分子標的治療です。

b. 分子標的治療薬とは

分子標的治療薬は、腫瘍細胞の増殖や血管内皮細胞の増殖にかかわる細胞内シグナル伝達を阻害することによって腫瘍の増殖を抑える薬です。マルチキナーゼ阻害剤である Sunitinib(Sutent®)、Sorafenib(Nexavar®)がわが国において現在申請中です。(海外では治療薬として承認が得られています。)また、mTOR 阻害剤であるCCI-779(Temsirolimus®)とRAD001(Everolimus®)は海外にて現在臨床試験中です。

当院では、Sorafenib(Nexavar®)の治験担当を担っており、 認可後は、当院外来患者様に使って頂こうと考えています。

Sorafenib( Nexavar®)は、腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生の両者をターゲットとする経口抗悪性腫瘍剤です。細胞分裂(がん組織の成長)と血管新生(がん組織への血液供給)といった、がんにとっては重要なプロセスに関与する2 種類のキナーゼ群に作用することが知られています。米国、欧州連合諸国をはじめとする60 カ国以上で進行性腎細胞癌の治療目的で承認されています。Sorafenib (Nexavar®)に関する治験では、複数の企業、国際治験グループ、政府機関、医師主導により、単剤または幅広い種類の抗がん剤との併用が検討されています。その中には、腎癌に対する術後補助療法(アジュバント療法)の試験や、転移性メラノーマ、乳癌、非小細胞肺癌に対する試験が含まれています。

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