専門外来
メンズヘルス外来
| 責任医師 | 堀江重郎 |
|---|---|
| 担当医師 | 井手久満、久末伸一、磯谷周治 |
| 扱う疾患 | 男性更年期障害、男性性機能障害、その他の不定愁訴(抑うつ症状、疲労感、睡眠障害、めまいなど) |
概要
社会は常に弱者を守る方向に動きます。小児ワクチン、妊婦検診が、どの国においても最優先されるのに対し、強者とみなされる男性の健康に関してはこれまで、ほとんど省みられることなかったといっても過言ではありません。近年、マスメディアの影響で注目されてきた、いわゆる「男性更年期障害」は、男性の健康を社会全体が考える良い機会となっています。
女性は、閉経による女性ホルモンの急激な減少が原因でのぼせ、ほてり、いらいら感などのさまざまな症状が起こります。これらは「更年期障害」として知られていますが、それが男性にもあることがわかってきました。男性の場合、壮年期から加齢に伴いテストステロン(男性ホルモン)が徐々に低下していきます。60 歳以上の2割、80 歳以上の半数は、この男性ホルモンが20 代男性の平均の半分以下になるといわれています。
こうした加齢に伴う男性ホルモンの低下によって起こるさ まざまな精神、身体、性機能症状を「加齢性腺機能低下症候群」と言いますが、一般的に「男性更年期障害」と呼ばれています。
男性ホルモンは精巣で作られ、脳、骨髄、筋肉、心血管な ど体の多くの臓器に直接作用するため、男性ホルモンが低下すると、さまざまな症状が出てきます。
例えば、勃起障害や“朝立ち” の消失といった性的症状に 加え、筋力低下、筋肉痛、疲労感、ほてり、発汗、頭痛、めまい、耳鳴りなどです。また精神・心理症状としては、集中力の低下、無気力、抑うつ気分、イライラ感なども当てはまります。日本人の場合は欧米諸国より精神症状が強く、男性更年期外来を訪れる患者様の半数近くはうつ病と診断されています。
男性ホルモン値は個人差が大きく、値が低下したからといって、誰でも男性更年期障害になるわけではありません。ただ、加齢に加え、ストレスなどでホルモン値が急激に低下すると起こりやすくなります。男性更年期障害と診断される患者様の多くは40 代後半から60 代で、職場でも家庭でもストレスが多くなる時期と一致しています。これは、今の日本社会で男性が置かれている厳しい社会環境が男性ホルモンの低下と、それによる
症状の発現を促進していると考えられます。
しかし、男性更年期障害で悩む人の多くは適切な診断、治療を受けていないのが現状です。うつ症状が強い場合、放置すると自殺につながります。また、男性更年期患者のほとんどはが勃起障害(ED)を合併しており、男性が実りのある熟年期を過ごすためには、何よりもこれらの疾患の早期診断、早期治療が必要です。当科の男性更年期、及び男性機能外来を受診する方の多くが40 ~ 50 代で、その半数が既に精神科を受診し、難治性のうつ病と診断されており、また、ほとんどの患者様が中等度から重度のEDを合併しています。
加齢性腺低下症の治療については、多くの場合、ホルモン療法が第1 選択となりますが、当科では個人の生活の質、環境の質を高めることによる男性ホルモン維持を重視し、適切な食生活、規則的な運動、パートナーとのよりよい関係等に重点をおき、全人格的な診断を目指し個人に適したオーダーメードの治療を心がけています。その手段としてパートナーや、職場の人事課の方々を含めた総合的な治療に積極的に取り組み、男性の健康維持に貢献できるよう努力しております。

